延滞税等の割合の見直しについて
平成26年1月1日から、延滞税等の計算を行う際に使用する率が 改正されています。
延滞税ってどんな税金?
延滞税とは、定められた期限までに税金が納付されない場合に、納付が 遅れたことによる罰則としての税金です。
原則として、法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、 利息相当の延滞税が課されます。
どんな場合にかかるの?
・法人や個人の確定申告で納付すべき税額を、期限まで納付しなかった場合
・期限後申告又は修正申告によって納付すべき税額がある場合
・更生又は決定の処分を受け、納付すべき税額がある場合
・予定(中間)納税額を、期限までに納付しなかった場合
延滞税はどうやって計算し、納付するの?
延滞税の計算は、実は国(税務署)が行います。
納付書が送られてきますので、それで納付すれば完了です。
法人税や所得税、消費税とは違い、納税者が自ら計算して申告納付する ものではないです。
でも、どうやって計算されているかは知りたいですよね。
【計算方法】
納付すべき税額×延滞税等の割合×(日数/365日) で求めます。
【改正点】
上記計算方法のうち、どこが改正されたかというと、延滞税等の割合のうち 特例部分です。
延滞税等の割合は、原則と特例のうちいずれか低いほうの割合となります。
≪改正前≫ ≪改正後≫ 1.納期限の翌日から2か月以内 原則 年7.3% 特例 年4.3% 特例 年2.9% 2.納期限の翌日から2か月経過した日以後 原則 年14.6% 特例 年9.2%
【割合の根拠】
改正前は「前年の11月30日において日本銀行が定める基準割引率+4%」
改正後は「特例基準割合+1%」
※特例基準割合とは、各年の前々年の10月から前年の9月までの各月における 銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として、 各年の前年の12月15日までに財務大臣が告示する割合に、年1%の割合を 加算した割合をいいます。
嬉しい改正!?悲しい改正!?
これだけ見ると、嬉しい改正に思いますね。
この改正は、現在の金利に合わせた形ですので、利率が低い今日の相場相当に なったわけです。
ところが、この見直しは延滞税だけではありません。
冒頭で「延滞税等」としたのは、延滞税以外にも割合が見直されたものがあった ためです。
利子税と還付加算金です。
利子税とは、所得税法や相続税法の規定に定められている延納の方法によって 税額を納付する際に、こちらも延滞税と同様に利子相当額を納付するものです。 こちらも税額が抑えられるので、嬉しい改正ですね。
しかし、還付加算金はいかがでしょう。
これまでに、中間納付または予定納税、源泉所得税を確定申告によって 還付してもらえた経験がおありの方ならご存じでしょうか。
還付加算金とは、納めすぎた又は徴収された税額が還付される場合に、 還付金の返金とともに付される利息相当のことです。
この加算金の計算割合についても、特例の割合が年1.9%に見直されて しまいました。
所得税の予定納税
個人事業主の方にとって、7月は所得税の予定納税の納付期限がございます。
前年の税額を参考にして、今年の税額を前払いする制度ですが、前年と今年で 大きく事業などに変動があり、今年の納税額が前年のそれを大きく下回る 見込みの場合には、減額承認申請をすることにより、減額後の納税額で 予定納税をすることができます。
しかし、一旦そのまま予定納税を支払っておいて、確定申告で還付を受けると、 年利4.3%の金利が付されて還付されるので、銀行に預けておかれる ぐらいなら、納めておかれるほうが金利はかなり有利でした。
資金運用のひとつとして、そうされていた方も、残念ながらこの手は使えなく なりました。
これまで通りの利率で還付加算金がつくと思っていらしたら、今年は加算金が 少なくなりますのでご注意ください。
・2015年6月23日 配信
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